2026年8月

難聴について

昨年は医院改築工事のため8月のほとんどを休診させていただき皆様にはご不便をおかけいたしました。改築工事はすべて終了いたしましたので今後は通常通りの診察を行ってゆく予定です。ただし8月12日から15日まではお盆休みとして休診させていただきますので皆様のご理解をいただきたいと存じます。

最近、急に耳の聴こえが悪くなったと受診される患者様が増えております。耳が聴こえにくくなる原因には耳垢栓塞症(いわゆる耳垢)などの外耳疾患。急性中耳炎や滲出性中耳炎などの中耳疾患、メニエール病や急性感音性難聴などの内耳疾患があります。

これらの難聴の中で皆様に注意を払っていただきたいのが突発性難聴とも呼ばれる急性感音性難聴です。ある日突然に聴こえが悪くなったと受診された患者様に対してはまずこの病気を疑って検査を行います。突発性難聴は早期に治療を行わなければ回復が難しく、発症後2週間以上経過すればまず回復する見込みのない病気です。この病気を克服する最大のポイントは発症後できるだけ早期に治療を開始することです。

これは水に溺れて呼吸停止をきたした人に人工呼吸を行う場合や、心停止をきたした人に除細動を行う場合に発症から処置までの時間が救命率に大きく影響するのと同じです。原因は不明ですが、内耳に何らかの障害が生じ聴力が障害されると考えられております。

中等症以上の突発性難聴では聴こえが明らかに悪化するので気づきやすいのですが、軽症の場合は「耳がふさがったような感じ」、「聴こえ方がすこしおかしい」、「耳鳴りがする」「自分の声が響いて聴こえる」といった症状のみの場合が多く、症状が軽いため「そのうち治るであろう」と考えて放置される方がしばしば認められます。そしてこのような症状が持続するため発症からかなり経ってから受診され、聴力検査で初めて突発性難聴と診断されてもすでに発症後に時間が経過しすぎており治療効果が得られないという方が少なからずおられます。

当院では発症から1週以内と判断された突発性難聴に対してはステロイド剤、ビタミン剤、循環改善剤等の点滴、投薬で治療を行っております。治療は約10日間毎日行いますが、数日以内に症状が改善された患者様はその時点で治療を終了いたします。数日治療を行っても効果が認められない場合や、高度の難聴で当院での治療で回復する可能性が低いと判断された場合は入院設備のある病院へ集中的な治療を依頼する場合もあります。

「耳が塞がった感じがする」、「音が響いて聞こえる」等の症状があった場合は「そのうちに治るのではないか」と放置せず早急に耳鼻咽喉科医を受診される事をお勧めします。

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